アドリア海

MUSICA

「さくらんぼの実る頃」クレマンは社会主義者だった。亡命中のベルギーで1866年にこのシャンソンを出版した。

彼は普仏戦争(1870~1871)の敗北後のパリに戻り、パリ・コミューンの議員に選ばれ、福祉・教育を担当する。そして、この歌をコミューンの女性闘士(衛生部隊員)に捧げた。
そのためもあって、「さくらんぼの実る頃」には政治的な意味(「さくらんぼの実る頃」=春、青春=革命の時節)が付されることになり、甘く優しいノスタルジックな曲調(アントワーヌ・エメ・ルナール作曲)とあいまって、戦争とコミューンの二重の敗北を経験したフランス市民の間で爆発的に流行したという。
クレマンはコミューン崩壊後、欠席裁判で死刑判決を受けたが亡命し、1880年の大赦により帰国して、死ぬまで社会主義者として活躍した。
彼のシャンソンの多くは、富者や権力者への反感、庶民生活の喜びを歌い、労働者の愛唱歌となった。美しいジーナが歌う曲です。

訳詩・解説/高畑勲

音楽を再生ー停止 porcoの昼寝


さくらんぼの実る頃
LE TEMPS DES CERISES

作詞/J.B.Clement 作曲/A. Renard

カン ヌ シャンテロン ル タン デ スリーズ Quand nous chanterons le temps des cerises
エ ゲ ロスィニョル エ メルル モケール Et gai rossignol et merle moqueur
スロン トゥー ザン フェット Seront tous en fête.
レ ベル オロン ラ フォリー アン テット Les belles auront la folie en tête.
エ レ ザムルー デュ ソレイユ オ クール Et les amoureux du soleil au coeur.
カン ヌ シャンテロン ル タン デ スリーズ Quand nous chanterons le temps des cerises
スィフレラ ビヤン ミュー ル メルル モケール Sifflera bien mieux le merle moqueur.


メ イル エ ビヤン クール ル タン デ スリーズ Mais il est bien court le temps des cerises
ウ ロン サン ヴァ ドゥ スュイユ クイイール レヴァン Ou l'on s'en va deux cueillir rêvant
デ パンダン ドレイユ Des pendants d'oreilles,
スリーズ ダムール オ ローブ パレイユ Cerises d'amour aux robes pareilles
トンバン スー ラ フイユ アン グット ドゥ サン Tombant sous la feuille en gouttes de sang,
メ イル エ ビヤン クール ル タン デ スリーズ Mais il est bien court le temps des cerises
パンダン ドゥ コライユ コン クイイユ アン レヴァン Pendants de corail qu'on cueille en rêvant.


ジェメレ トゥジュール ル タン デ スリーズ J'aimerai toujours le temps des cerises,
セ ドゥ ス タン ラ ク ジュ ギャルデ オ クール C'est de ce temps-là que je garde au coeur
ユヌ プレ オゥヴェルト Une plaie ouverte.
エ ダム フォルチュヌ アン メタン オフェルト Et dame Fortune, en m'étant offerte,
ヌ プラ ジャメ フェルメ マ ドゥルール Ne pourra jamais fermer ma douleur.
ジェメレ トゥジュール ル タン デ スリーズ J'aimerai toujours le temps des cerises
エ ル スヴニール ク ジュ ギャルド オ クール Et le souvenir que je garde au coeur.

桜んぼの実る頃を私たちが歌う時、
陽気な夜鶯もからかい好きのつぐみも
みんなみんな浮かれ出すだろう。
娘っ子たちは頭にお熱、
恋人たちは心におひさま。
桜んぼの実る頃を私たちが歌う時、
一段とうまく囀るだろう、からかい好きのつぐみは。

でも桜んぼの実る頃はほんとに短い。
あの時節、
二人して夢見つつ耳飾りを摘みに行く。
揃いのを着た恋の桜んたち、
葉かけに落ちて血のしずく。
でも桜んぼの実る頃はほんとに短い。
夢見つつ摘む珊瑚色の耳飾り

桜んほの実る頃を私はいつまでも好きだろう。
この時節からだ、
私の心にぱっくり傷口が開いたのは。
幸運の女神がたとえ私に下されても、
決して出来ない、私の苦しみを閉ざすことは。
桜んぼの実る頃を私はいつまでも好きだろう。
そして心に抱き続けるこの思い出も。